「白雪姫前夜」



 いまから少し前 ある日の夜の出来事

 独り《ひとり》車に乗り 男は山道を往く《ゆく》


 どこへ向かう 誰も知りはしない

 風鳴り《かざなり》にかき消されそうな声が ぽつり ぽつり


 独白《ひとりごと》か 語りかけるような

 ささめく言葉が向かう先には 助手席に置いた


 『小柄な小学生なら一人くらいは入りそうな大きさのトランク』

 『小柄な小学生なら一人くらいは入りそうな大きさのトランク』



 まばらに列なった《つらなった》 街灯の明かりの中

 何も知らないこと 男は不意に気付いた


 どこで生まれ 何をしてきたのか

 これまでにどんな人々と触れ合ってきたのか


 「君のことを聞かせてくれないか」

 砂利の音が響き始めた頃に 彼は語った


 『小柄な小学生なら一人くらいは入りそうな大きさのトランク』

 『小柄な小学生なら一人くらいは入りそうな大きさのトランク』



 『小柄な小学生なら一人くらいは入りそうな大きさのトランク』

 『小柄な小学生なら一人くらいは入りそうな大きさのトランク』



※註
 歌詞にある《 》内はふりがなです。
 『』と「」は原作の表記に準じたものです。



 ニコニコ動画YouTubeにて公開。


※歌詞について
 『絶対移動中 vol.13』より、伊藤なむあひさん著『白雪姫前夜』のイメージソング。
 原作を基点として、当初は無記名でSoundCloudで公開されていたAzellさんの曲に、私・蒼桐がAメロとBメロを書き足した結果、 フルバージョンを作ることになりました。数奇な運命を辿っている歌。
 音源はAzellさんのサイトでDLできます。

 関連サイト:鳥小屋/絶対移動中

2013.5/18     






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